顧客はもう、過去に企業が設計したマーケティング・ファネルを歩いていない。
検索の前にAIへ相談し、比較サイトではなく要約された回答を読み、ブランドサイトを訪れることなく意思決定を下す——。企業が長年前提としてきた「認知→比較→購入→利用」の流れは、静かに書き換えられつつある。
それにもかかわらず、多くの企業の議論は「どの生成AIツールを導入するか」「どのコンテンツを自動化するか」という戦術論に留まっている。だが本質的な変化は、ツールではない。マーケティング・ファネルそのものの崩壊と再構造化である。
本シリーズでは、AI時代に企業が直面するマーケティングの構造変化を全5回にわたって論じる。対象は、マーケティング戦略をCMO単独の課題にしておけないと感じているCEO、そして経営アジェンダとしてマーケティングを再設計する責任を持つCMOだ。
AI はマーケティングを破壊もするし、再発明もする。分岐点は、ツール選択ではなく、CMO と CEO が共有する経営判断の側にある。
- 【第1回】マーケティング・ファネルが非線形化している - AI時代のLearn/Buy/Useが問うもの - 2026年07月09日
- 【第2回】パーソナライゼーションの罠 -「個別最適」が顧客との距離を遠ざける構造 - 2026年07月16日
- 【第3回】ブランドの可視性が再定義される - GEO/AEO時代のマーケティング再設計 - 2026年07月23日
- 【第4回】CMOとCEOが共有すべき、5つの問い - 2030年に向けたマーケティング投資判断 - (2026年07月30日公開予定)
- 【第5回】日本の「顧客との関係構築」が、世界で勝てる時代 -「深さの再発明」が拓く2030年 - (2026年08月06日公開予定)