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現代の企業にとってデータとは、イノベーションを可能にする心臓部とも、アキレス腱とも言えます。強固なデータ管理、最新のデータアーキテクチャ、およびデータガバナンスの基盤がなければ、高度なアナリティクス機能の階層化や、新しいテクノロジーの実装は困難になります。最良の結果をもたらすAIベースのインサイトを獲得するためには、データの最新化や、既存データベースと新しいデータソースのアプリケーション統合、および強力なデータガバナンスプロトコルの制定が必要になります。

コグニザントは、Forrester Consultingと共同で、ビジネスニーズをサポートする分析プラットフォームのユースケースと機能、およびユースケースをサポートする基盤となるデータ管理とガバナンステクノロジーの評価を行いました。その結果、データ主導の戦略やイニシアティブを推進している企業がある一方で、強固な基盤を確立するために必要な作業を行っていない企業もあることがわかりました。(詳細は、「The Road to Data Modernization」の調査全文をご覧ください。)

データモダナイゼーションの主な課題とその解決方法は下記のとおりです。

データモダナイゼーションの課題解決

ソリューションを構築するのか、購入するのか、またはその両方を選択するのかにかかわらず、すべての企業にとって、データ管理インフラストラクチャの適切な導入は大きな課題となっています(図1を参照)。プロセスの初期段階からそれ以降の段階まで、組織のギャップやデータの不備に対処する必要があるため、データ基盤が弱まり、さまざまな問題が発生します。調査により明らかになった課題は以下の通りです。

図1

  • 最大の課題はデータ品質です。過半数の企業が、企業規模の高度な分析プラットフォームを実装する際の最大の課題はデータ品質であると回答しました。また、回答者の約半数にあたる48%が、AIを企業レベルで拡張する際に障害となるのはデータ品質であると回答しています。これは、従業員のスキル不足に続く第2の課題として挙げられました。
  • 従業員のスキルがデータ管理に必要なスキルと一致するとは限りません。すべての企業が人材の確保に苦慮していますが、望ましいスキルセットを持つ人材を維持することは、ソリューションの購入を検討している企業にとって重大な問題であり、適切なソリューションの実装とデータ管理にも影響します。回答者の半数が、高度な分析プラットフォームを実装する際の課題の一つは従業員のスキルであると回答しました。また、回答者の41%が、データサイエンスの人材不足と、企業レベルのAI拡張を課題として挙げています。従業員のスキルを主な課題として挙げたのは回答者の49%、データサイエンスの人材不足を主な課題として挙げたのは回答者の41%でした。
  • オープンソースの使用はソリューションの構築を妨げます。データ管理と分析プラットフォームの構築を選択した企業では、オープンソースのツールやテクノロジーの使用により、新たな課題が生じています。実際、このような企業の58%が変化へのスピーディーな対応に苦慮しています。また、55%の企業がメンテナンスに課題を抱え、同じく55%の企業が実装スキルの不足に課題を抱えています。さらに、64%の企業が、セキュリティー上の理由から、オープンソースの使用を最初のオプションとして考慮していないことがわかりました。
  • 多くの企業の場合、ベーシックなソリューションの実装は初期段階にあります。 過半数(57%)の企業がエンタープライズデータレイクの導入を計画しているか、現在導入しているかのいずれかです。また、44%の企業がデータガバナンスおよび管理ツールの導入を計画しているか、現在導入しているかのいずれかです。これらのソリューションは、データ主導型の企業にとって非常に基礎的なものであり、今回の調査結果は課題を浮き彫りにしたと言えるでしょう。
  • 最適なソリューションの実装は容易ではありません。単にツールを所有しているだけでは、ソリューションを完全に実装することはできません。企業の約3分の1が、データガバナンス・管理ツール、分析プラットフォーム、データレイクの実装に不満を抱いています。当然のことながら、 AIやディープラーニングツールといった高度なソリューションの実装はさらに難しく、回答者の39%がこれらのツールの実装に不満を感じています。

こういった不満の原因は、ビジネスニーズに見合わないツールの使用にあります。従来的なデータガバナンスツールはデータウェアハウス用に構築されたものですが、現在、データはいたるところに幅広く存在し、データエコシステムはより複雑になっています。現代の企業に必要なのは、新しいアーキテクチャーに対応したデータガバナンスツールです。

データレイクは、当初ウェアハウス環境のTCO(総保有コスト)を削減するために実装されたため、効果を生みませんでした。データレイクが構築されても、使用方法を把握していなかったために、必要なデータを必要な時に見つけることができずに、データレイクを「沼地化」してしまった企業が多かったのです。

同様に、データが準備されていない、または利用できないために、AIの導入が成果に結びつかないこともあります。高度なアナリティクスを超えたスキルが不足していると、企業は不利な状況に立たされます。データサイエンティストには、統計学の知識に加え、最適なデータを構築するためのビジネスの専門知識が必要とされます。

コグニザントからの提言

ビジネスユーザーにとって最終的に必要となるのは、オンラインで結果を即時に表示できるシステムや機能です。システム業者の多くは、自社のツールは万能だと謳いますが、それが、社内の課題解決やソリューションの最適な実装に結びつくことはありません。成功するためには、テクノロジーだけでは問題が解決しないことを企業が理解する必要があります。

調査の分析結果に基づいた推奨事項をご紹介します。コグニザントが多くの企業にとって望ましいと考えた行動指針です。構築、購入、またはパートナーを選択する企業向けの推奨事項ですが、いくつかの推奨事項はサービスプロバイダーとの関係に焦点を当てています。

1    新しいテクノロジーの積極的なテストと採用

データとアナリティクスのテクノロジーは急速に進化しています。現在導入しているテクノロジーが、3年後には時代遅れになっている可能性があります。データとアナリティクスのテクノロジーの動向を常に把握しているサービスプロバイダーは、初期段階から最適なソリューションとプラットフォームを提供し、企業による未来への投資効果を最大化するプロセスを提供します。

  クラウドを中心に据えたデータ戦略

クラウドデータプラットフォームは、アナリティクスと運用のワークロード向けに設計されています。ストレージ、コンピューティング、状態を抽象化することで、さまざまなデータやユースケース、ワークロード要求、データボリュームを、従来のシステムよりも大規模で柔軟に管理できます。また、クラウドサービスプロバイダーが、より強固な暗号化と検出機能を組み込み、プライバシー保護の強化とデータ品質に対処するため、セキュリティーとガバナンスの機能も向上します。

3    ビジネス成果の達成に貢献するサービスプロバイダーの選択

最新のデータプラットフォームを導入することだけが目的ではありません。ビジネスのイニシアティブと優先事項を理解し、データを利用した運用に対するビジョンを持ったサービスプロバイダーが必要です。このようなパートナーは、将来にわたって、ロードマップを具体的なビジネス成果へとつなげることができます。

4    確固としたデータガバナンスの確立

リスクの排除、コンプライアンスの推進、および価値の提供を可能にするデータ保護と違反に関する方針がないことは、データにとっての最大の脅威となります。多くの場合、ガバナンスはクリーンアップ操作の後に実行されます。データガバナンスをプラットフォームに組み込み、持続的なガバナンスの計画を策定するサービスプロバイダーは、初期段階から最適なプロセスを提供します。

5    業務の遂行に必要なことを理解する。

適切なスキルとプロジェクトリーダーシップは、サービスプロバイダーに求められるスキルのごく一部に過ぎません。優れたサービスプロバイダーは、チームがエンジニアリングと開発のベストプラクティスに従って業務を進める時に、真価を発揮します。アジャイルかつ継続的な開発フレームワークの下で業務を行うことで、価値をより迅速にもらすだけではありません。企業は、同じ手法を取り入れ、新たな開発能力を構築するための足掛かりとするべきです。そして、サービスプロバイダーは、トレーニングおよび変更管理プログラムを提供し、企業の変革を支援するべきです。

 購入、構築、あるいはハイブリッドな戦略を提案できるサービスプロバイダーを選ぶ

企業のデータとアナリティクスの成熟度によって、要件を満たす既存のテクノロジーは何か、構築が必要なものと必要でないものは何かが決まります。さらに、特定ベンダーへの依存を避けるためには、将来に備えたデータとアナリティクスへの投資を、常に最優先に考えておく必要があります。サービスプロバイダーは、企業の優先事項を把握したエキスパートであるべきです。

新しいデータ基盤を構築するためにビジネスを拡大することは、複雑で混乱を招きます。多くの企業には、一から基盤を構築する余裕はありません。今回の調査では、サービスプロバイダーと提携することで、新しいプラットフォームの価値の維持と拡大につながる戦略、設計、開発、実装、および社内カルチャーの変革をより確実に推進できるということが明らかになりました。

詳細については、当社Webサイト データモダナイゼーションセクションをご覧いただくか、当社までお問い合わせください。