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コグニザントジャパン ブログ

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オーストラリアの損害保険会社の次世代デジタル保険金請求業務を設計する 【第1回】(2)
状態D:保険金請求業務の危機管理提案に挑戦するものが出てくる

現在の保険会社は、単なる保険金請求の管理ではなく阻止により大きな重点を置いて保険金請求過程の全体像を作り変えることにより、差別化を図っている。モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、サードパーティデータ、スマートインフラストラクチャはすべて、損失の防止に向けた新たな道を開き、センサーデータは損失を早期に判定する指標となる。

一方、デバイスがスマートになるに従って、メーカーは、製品と危機管理サービスをセット売りするようになるだろう。これは、保険会社の危機管理提案の立場に対する挑戦だ。資産がもともと補償を備えていたり、メーカーがシームレスに補償を提供することにより、保険金請求業務は、危機管理エコシステムでの自分たちの立場を考え直す必要があるだろう。 しかし、保険会社は、戦略的パートナーシップを通じて、エンドツーエンドの損失防止サービスをまとめあげることにより、お客さまのためにリスクエコシステムを指揮できるユニークな立場にある。たとえば、水漏れが起きた時には、保険会社は損害をすぐに特定し、配管工事や床の修理などのサービスを調整できる。

状態E:人間と機械が連携して、大量の保険金請求を査定する

保険金請求処理のための労働力は、コンピューティングテクノロジーの急速な進化に加えて、新たなデジタルデータソースの急激な増加により、接触をほとんどせずに保険金請求を受けられる割合が高まるだろう。多数のデータプロバイダが、自動車査定(MotorWeb、Redbook)、資産評価(SumInsured、Geospace)、航空画像(Nearmap、Arturo)、空間情報(Navigate)を含むさまざまな分野に参入している。さらに、ドローン、拡張および仮想現実(AR/VR)テクノロジーにより、過去には見付けることのできなかった次元の損失にも、リモートでアクセスできるようになる。

また、簡単に手に入るコンテキスト豊富なデータが、従来の保険会社に、機械的な手順や保険金請求のルーチン処理を自動化する機会を提供し、アジャスターが複雑な保険金申請への対応に集中できるようになる。高度な保険金請求処理テクノロジーを使用する高いスキルを持ち、データやAIに熟練した、異なるタイプの専門的な査定人が登場しつつある。

おわりに

以上、オーストラリアの損害保険会社の保険金請求業務の将来の状態を紹介した。次回は次世代保険金請求への重要で価値ある取り組みについて紹介する予定である。



この記事の投稿者

小穴隆三

コグニザントジャパン株式会社
コンサルティング事業部

コグニザントジャパン株式会社コンサルティング事業部 小穴隆三

コグニザントジャパン株式会社コンサルティング事業部に所属し生損保業界を担当。



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