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コグニザントジャパン ブログ

エージェント型AIによる人材変革の推進

エージェント型AIは、今後必要とされるスキルの優先順位の明確化、トレーニングプログラムのカスタマイズ、従業員の分析的思考力の向上を支援します。

このコンテンツは、2025年5月に世界経済フォーラムの記事で紹介されたものです。

次のようなシナリオを想像してみてください。

自動車メーカーでプロダクトデザイナーとして働くケイトは、プロダクトエンジニアへのキャリア転向を見据え、eラーニングを受講します。基礎モジュールを修了すると、チャットボットを通じて、専門知識に関する評価を受けます。その評価に基づき、今後のキャリアステップに必要な学習資料が提供されます。

その後、ケイトは高度なエンジニアリング原則を学び、再評価を受けてA+のスコアを獲得します。eラーニングプラットフォームは彼女のHRマネージャーにメールで通知を送り、次のアクションがスタートします。

将来的には、こうした働き方が多くの職種で一般的になると考えられます。世界経済フォーラムが発表した「Future of Jobs Report 2025(未来の職業レポート2025)」では、未来の仕事を形づくる技術的・社会的・経済的な動向が分析されています。同レポートによると、高所得国では労働人口の高齢化と減少が同時に進む一方、低所得国では労働人口が増加します。また、人工知能、ロボティクス、自動化といった先進技術の台頭により、ビジネスアナリストには新たな需要が生まれる一方で、倉庫作業員など一部の職種が無くなると予想されています。こうした世界的な変化が相互に絡み合い、世界の労働力の構造は2030年までに大きく変化するでしょう。

人口動態の変化とテクノロジーの普及が、既存のスキルや職業に大きな変化をもたらしつつあります。実際、現在のスキルセットの約39%が、2025年から2030年の間に刷新されるか、時代遅れになると、Future of Jobs Report(未来の職業レポート)は指摘しています。

この調査は、1,400万人以上の労働者を対象とし、55の国・地域、22業種にわたる1,000社以上のグローバル企業からの回答を抽出・分析しています。

雇用リスクの軽減

スキルが時代遅れになるリスクは、トレーニングやリスキリング、アップスキリングといった取り組みの成果により、2020年の57%から2023年には44%まで着実に減少しています。これは、明るい材料と言えるでしょう。

スキルギャップは、企業とあらゆる世代の労働者の双方にとって深刻なリスクとなっています。企業はビジネス成長を推進するために、常に時代に求められるスキルを備えた人材プールを必要としています。同様に従業員も、自らのキャリアアップとキャリア形成を計画するうえで、新たなスキルの習得が不可欠です。多くの企業では、採用力の強化、上位職へのスキルアップ、組織内のスキル需要に応じた人員の再配置を図り、人材開発プログラムを導入しています。

AIを統合することで、より充実した学習および人材育成プログラムを開発できます。AIアルゴリズムは、機能性・能力の両面で日々進化を遂げています。そして、AIシステムは、教育を含むさまざまな分野において、人の手を介さずに複雑なタスクを遂行し、課題を解決するための汎用能力を備えています。大量のドメイン固有データを学習した生成AIモデルは、まるで人間のようにテキスト・音声・ビジュアルコンテンツを生成することができます。さらに、エージェント型AIは過去の知識や自然言語による指示、そして企業固有の文脈を組み合わせることで、目標達成に向けてより正確な意思決定を行い、自律的に行動します。

エージェント型AIでビジネスニーズに即したスキルの優先順位を決定

エージェント型AIは、HR担当者が採用や昇進を決める場面において、新しいスキルの優先度を判断する手助けとなります。また、企業特有の長期的なスキルニーズに対応したトレーニングプランの策定にも貢献します。さらに、AIを活用した学習手法は、受講者の積極的な学習行動や教材の積極的な利用を促進することで、学習目標の達成をサポートします。直感的に学べるプログラムであれば、知識の定着や応用においても優れた成果が期待できます。

最も重要なのは、AI学習ツールがコアスキルや専門的な技術力を高めるだけでなく、分析的思考力、柔軟性、アジリティといった重要なライフスキルの習得にも役立つ点です。これは、ピアソンが発表した「Pearson 2024 End of Year AI Report for Higher Education」でも強調されています。Pearson+の電子教科書でAI機能を活用した学生は、認知能力や批判的思考力を伸ばし、学習参加率も4倍に増加しました。

さらに、AI学習ツールは講師の作業を簡素化します。同レポートによると、米国の2年制および4年制大学の教員の77%が、指導強化のために生成AIの導入を計画しているとされています。AIツールは、教授が要約、フラッシュカード、模擬試験、学習ガイドなどを作成する際に活用され、学生への指導の質を高める手助けとなります。

未来の働き方を設計

あらゆる業界の職務において、人間ならではの資質がより一層強く求められています。

テクノロジーが主導する未来の職場環境で成長するためには、リーダーシップ、適応力、協調性、モチベーション、共感力、影響力といった社会的スキルや対人スキルが不可欠となります。

一方で、AIによって業務やワークフロー、プロセスが自動化されることで、企業は効率性・コスト削減・人とモノの生産性を最大化することができます。AIが日常的な反復作業の効率を上げることで、米国の労働者が週あたり7,800万時間を節約できる可能性があると、Pearson社のSkills Outlookシリーズ「Reclaim the Clock: How Generative AI Can Power People at Work Skills Outlook」は指摘しています。

一方で、若く経験の浅いナレッジワーカーは、AIによってスキルを強化することができます。また、ベテランの専門職にとっては、自律的かつ自己管理型の働き方が可能になるといったメリットがあります。タレントエコシステムは、正社員だけでなく、専門サービス提供者、クラウドソーシングパートナー、フリーランス、契約社員、ギグワーカーなどによって成り立っており、その裾野はますます広がっています。世界経済フォーラムの「The Rise of Global Digital Jobs」によれば、2030年までにリモートワークは9,000万件に達すると予測されています。このようなタレントエコシステムにおいては、勤務地や就業時間の自由さや柔軟さが求められるようになります。

エージェント型AIは、このタレントエコシステムの中で、課題を克服し、新たな可能性を開拓するための力となります。働き方の未来を設計するにあたり、変化する市場環境の中で企業が新たな可能性を見出すために不可欠となるでしょう。エージェント型AIは、「ハイパーパーソナライゼーション」と「スケーラビリティ」という相反しがちな2つの要素を学習体験に取り込みます。AIエージェントは、学習環境を改善し、最適なラーニングパスを導き出し、知識のギャップを特定します。これにより、講師やトレーナーは個々の状況に合わせた指導をすることができるようになり、スキルや能力レベル、専門分野、職種を問わず、学習成果の向上が期待できます。

注目すべきは、エージェント型AIが、仕事の「場所」「時間」「進め方」を考慮に入れた上で、アジャイルな働き方を提案できるという点です。また、HRマネージャーが仕事のあり方や職務内容を見直す上でも大きな力となります。顧客やビジネスに対して具体的な価値をもたらすと同時に、拡張する組織の生産性を高めつつ、ワークライフバランスの実現にも貢献します。

職場における学習の再定義

EdTech企業は、ターゲットを絞った学習を推進し、従業員の生涯学習を支援することで、スキル重視の経済社会を後押ししています。既存のプラットフォームにエージェント型AIを統合することで、キャリア形成に特化した職業訓練や、人材育成プログラムの成果が向上し、企業と従業員との間には人材開発における新たな信頼関係が生まれます。さらに、こうしたエージェント型AIの導入は、自動化が進むグローバル環境で必要とされるスキル需要に応えるだけでなく、リスキリングやアップスキリングを通じて、課題解決力、意思決定力、創造的思考力といった人間が本来持つ潜在能力を強化することにもつながります。

学習ソリューションプロバイダは、AIを活用してグローバルな労働市場の動向に関する予測インサイトを導き出し、未来を見据えた職場戦略の構築を支援しています。また、デジタル学習サービスプロバイダとの戦略的パートナーシップにより、人材計画、人材確保、そして人材育成を効率化することができます。特に、デジタル認証・検証サービスと学習プラットフォームを統合したソリューションは、リスキリングやアップスキリング、生涯学習の成果を高め、雇用機会の拡大にも貢献します。

AIプラットフォームを提供するEdTech企業との連携により、企業はテクノロジー、経済、社会、行動の変化に柔軟かつ迅速に対応できるようになります。また、心理測定評価や職業適性テストをeラーニングプラットフォームに統合することで、採用活動の強化と的確な人材育成が可能になります。こうした評価を通じて、従業員のスキルギャップを特定・解消し、変化の激しいビジネス環境を乗り切るために欠かせない技術スキルとソフトスキルを確保することができます。さらに重要なのは、こうした取り組みが、戦略的目標や企業の価値観に即した人材の育成に貢献する点です。

将来の職場において企業は、知識優先型の人材を育成する必要があります。また、従来のタレントマネジメント手法から、人材変革戦略への移行を考えるべきです。エージェント型AIは、トレーニングモデルや学習プラットフォームを全く新しい形に変えることによって、個々の状況に合わせたスキル開発を大幅に促進します。これにより企業は、将来の働き方や変化する職場環境に柔軟に適応することができるでしょう。




Anurag Sinha

SVP and Head of Communications, Media & Technology

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Anurag is a Senior Vice President and Head of Communications and Media & Entertainment, Americas at Cognizant. He is a 30-year Industry veteran with cross-industry experience in communications, financial services, insurance and healthcare.



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